さて、スペインでは昨日まで「Mobile World Congress 2013」という世界最大規模の携帯通信関連見本市が行われていました。
そこでいろんな人が驚いたのが「Firefox OS」の動作する実機が公開され、なおかつ操作できる状態だったこと、でした。
つまり、iOS / Androidに続く「第3の勢力」争いが始まりそうな雰囲気です。
ここで少し「第3の勢力」について備忘録程度にまとめてみたいと思います。
まず、どういうOSが準備されているのか、ですが、注目されているものは以下の3つではないか、と思います。
・Windows Phone
・Tizen
・Firefox OS
Windows Phone
言わずと知れたMicrosoftが提供している携帯端末用OS。
歴史は古く、以前は「Windows Mobile」、その前は「Pocket PC」と呼ばれていました。
有名なものでは、ウィルコムの「W-Zero3」辺りがこの「Windows Mobile」を使っていました(私も持っていました)。
Windows Phone 7からインターフェイスを大幅に変更し、その流れがWindows Phone 8やWindows 8に継承されています。
日本ではWIndows Phone 7搭載機種がauから1機種のみ、Windows Phone 8に至っては未だに発売されていません。
Windows Phone Home / Microsoft
Tizen
今年に入って?昨年末?にDoCoMoが「Tizen搭載の携帯端末を2013年中に市場投入する」と発表したことで一躍次世代携帯OS候補として名前が出始めた感じです。
TizenはオープンソースのOSです。核となるカーネルはLinuxベースで、インテルが開発していたMeeGo/Moblinやノキアが開発しているMaemoなど様々なモジュールを取り込む形で開発が進められています。
モバイル向けのTizen Mobileは韓国サムスン電子の「Sumsung Linux Platform」をベースにしています。
こちらはTizen Foundationという組織が主導して開発を進めており(ただ、実質中心になっているのはサムスンではないか、と思われます)、日本企業も富士通、DoCoMo、NECなどが名前を連ねているので国内展開は確実だと思われます。
MWC2013会場で少しだけ触れることが出来たようです。
新モバイルOS『Tizen』を体験 搭載機はドコモから年内展開?:MWC2013 / 週アスPlus
Firefox OS
MWC2013で動作する実機が展示されただけではなく、触れることが出来たということで一気に話題になったのが「Firefox OS」です。
ブラウザのFirefoxで有名な”mozilla Corporation”が中心となり、オープンソースで開発が進められています。
Firefox OS上で動作するアプリケーションの開発はHTML5で行えること、APIなどはリファレンスを含めW3Cなどの標準化団体に提案されているため、オープンなシステムである、ということを特徴としているようです。
こちらもカーネルはLinuxベースですね。
ほとんど、制限がない、とも言っており、Firefox OSを使ったフューチャーフォンも開発できるし、冷蔵庫なども出来る、と言ってますね。
個性がないのが個性!? MozillaがFirefox OSの世界戦略を発表:MWC2013 / 週アスPlus
果たしてどれがよさそう??
個人的にはWindows Phoneに注目しています。Windows Phone 7を以前店頭で触ってみましたが、すごく印象がよかったですね。
Microsoftが単独で開発しているので、統一感があり、開発環境もしっかりしたものが提供されています。
ただ、ここの場合はバージョンが変わると安定度含め大きく変わるので、そのばらつきが悪い方に出なければいいな、と思っています。
Tizenはまだ海のものとも山のものとも・・・という印象です。
紹介した記事で画面を見ましたが、iPhoneと変わらないねえ・・・と。
Firefox OSは「制限がない」というのが「普及」を考えると正直足かせになるのではないか?と思っています。
「制限がない」ということは「統一感がない」状態になるとも考えられるので、操作感も画面も全然違うスマートフォンが乱立してしまい、結果としてユーザが離れてしまう、ということになるのではないか?と。
全体的に「iOSがなぜここまで普及したか」いまいち理解してない印象です。
とはいえ、TizenとFirefox OSは動作環境として求められているレベルがAndroidに比べると非常に低いため、安価なスマートフォンを中心にリリースされていくのではないか、と思われます。
後はやはり「開発環境」「統一したインターフェイス」でしょうか。
「アプリの数と質」がスマートフォンの強さですし、「アプリを開発しやすい・販売しやすい環境」を提供出来るかどうかが大きな勝負になってくるでしょう。
「統一したインターフェイス」を提供することで、サードパーティが付随する様々な周辺機器を開発しやすくなります。インターフェイスの位置を決めるだけでこれが実現出来るわけですので、これがやれれば勝ち目が出るかも知れませんね。
また、他にもUbuntuなど、次々とリリースされていきそうな雰囲気もあります。
いずれにせよ、まだ全然見えません・・・
来年の今頃には端末も出揃っているかも知れませんし、状況が変わってるかも知れませんね。
面白い動きが見えることを願いつつ。