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アーティスト目線で見た時、果たして今の音楽ビジネスはどうなのか考えてみる

アーティスト目線で(といっても私はアーティストではないのですが・・・)の音楽ビジネスについては実は10数年前から考えています。
ある意味、自分の中では一つの結論が導かれていることではあるのだけど、ある人の音楽ビジネスについての考え方を読んで、改めて考えてまとめてみようと思っています。
まとまるかまとまらないか、書き始めてみないと分からないが、自分の立場を考えると非常にデリケートな文章になりそう。

まずはこちらのページをご紹介します。
ニルヴァーナのプロデューサー、スティーブ・アルビニが語る音楽ビジネス「音楽共有はパンクロック以来最高の出来事だ」

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この中で最初に引用したい言葉は次の言葉です。

かつて全てをコントロールしていたレコードレーベルは本質的に重要ではなくなった。バンドが世界に向けて自分たちをアピールする方法は、極めて民主的になり、制限が取り払われた。…自分の音楽で世界中からリスナーを持つことができる。しかも企業の干渉無しで。素晴らしいことなんだ。

今まではアーティストとして売り込もうと思ったら、レコード会社(レコードレーベル)に所属し、プロモーションなどをお願いしないと無理でした。
しかし、インターネットがここまで普及したおかげで、レーベルに所属しなくても自分たちをアピールする方法が出てきました。しかも、レーベルに所属していることで発生する様々な制限・制約なしに、YouTube/SoundCloudなどを使うことで世界中のリスナーを得ることが出来ます。
つまり、レーベルに所属しなくても1個人だけで自分自身の音楽を全世界に配信することが出来る、それは素晴らしいことなんだ、とスティーブ・アルビニは言っています。
実際、日本でも「ニコニコ動画」で音楽を発信し続けてデビューした人はいます。有名どころで言えば、ももいろクローバーZに曲を提供している「ヒャダイン」こと前山田健一氏はまさに代表格ではないでしょうか。
また、「初音ミク」を使って楽曲を作った人たちのコンピレーションアルバムが発売されたり、カラオケにも曲が入っていたり、と、日本でも「ネット初の音楽」が人気です。
しかもそれはテレビなどのマスメディアを介することなく、ネットを介して広がり、リアルな形で収益を産みつつあります。
初音ミクを使った楽曲の多くは1人で制作されているようです(この辺り、間違っていたら指摘して下さい)。もちろん中には複数名で作られているものもありますが、基本、楽曲は1名、PVが1名、という形の非常に「大きな括り」での分業制が多いようです。
つまり、音楽の配信が「レーベルから個人」ではなく「個人から個人」へどんどん変化をしている、そんな印象を受けています。そしてこの流れは今後一層進むでしょう。
そうなった時に音楽ビジネスはどう変化をしていくのか、既存のビジネススタイルでは非常に難しいだろうと思っています、それがいい事か悪い事かは別にして。
マスに向けたプロモーションを行うとどうしても予算が必要です、大きな企業なり組織のバックアップが必要です。
もちろん、そういった音楽は当面なくならないでしょう。そこに寄り添ったビジネスもしばらくは残っていくでしょうし、必要な事だとも思います。
しかし、それよりももっと市場が広がるのは初音ミクに代表されるような「パーソナルからパーソナルへ」の音楽配信かもしれません。
音楽制作の機材も随分安くなっています。Mac1台あれば、自分である程度のレベルの音楽は作れます。
レコーディングもMac1台に2万円くらいのオーディオインターフェイスがあれば思った以上のものは録音できます。
実際、そうやって個人で録音された音楽は思っている以上に世の中に出回っています。
そして、人気の楽曲ももちろんあります。
そこからメジャーデビューの道へ進んだ人もいますし、いわゆるメジャーなラインではないにしろ、音楽で飯を食ってる人もいます。
その傾向はより一層進み、個人制作の楽曲をネットだけで販売して喰っていく人も出てくるかも知れません(既にいたらごめんなさい・・・っていそうな気もしますが)。
メジャーデビューだけが音楽で食べていく道ではなくなってきました。
それがいいことなのか悪いことなのか、現段階では分かりませんし、そんな「1か0か」で判断できるようなことでもありません。
ただ、「音楽家」が「直接的に」収入を得る手段を確保出来るようになってきた、とは言えるかも知れません。
スティーブ・アルビニが言う「音楽出版ビジネス」、日本ではまだ崩壊するところまでは言ってません。
が、iTunes Matchがスタートし、Spotifyが日本上陸の準備を進めています。これらが日本でどれほどの影響力を持つかまだ未知数ですが、確実に音楽ビジネスの形態は変わりつつあります。
新しい現実に向けて、音楽家の皆さんも準備をしていく必要があるのではないでしょうか。
(もちろん、音楽に限った話ではありませんが)

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