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Google Driveの(正確にはGoogleの)利用規約変更に関する記事がちょっと気になる件

話題のGoogle Driveがサービス公開されました。
ほぼ同じタイミングでMicrosoft SkyDriveのMac版クライアントが提供されたので、両方使ってレビューしてみようかと思ったのですが、そこで気になる記事を見つけました。
GoogleはGoogleドライブに置かれたファイルのライセンスを取得したことになります
これをざっくり読んで規約に目を通してみた時には「あ、まずい。これじゃ使えない」と思ったのですが、今改めて目を通してみて「ん?」と思うところがあったのでこの記事を書く事にしました。

※2012/4/28追記
どうも「Google Drive」限定の規約と思われている方が多そうですが、これ、「Googleが提供するサービス」全体に対する規約です。
なので、GoogleドキュメントもgmailもYouTubeもPicasaも全て適用されます。
また、ちょっと書き方がまずかったのか、こちらの意図と違う捉え方をされているようですので、修正しました。
まず、その規約の一部を引用してみましょう。
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本サービス内のユーザーのコンテンツ
本サービスの一部では、ユーザーがコンテンツを提供することができます。ユーザーは、そのコンテンツに対して保有する知的財産権を引き続き保持します。つまり、ユーザーのものは、そのままユーザーが所有します。
本サービスにユーザーがコンテンツをアップロードまたはその他の方法により提供すると、ユーザーは Google(および Google と協働する第三者)に対して、そのコンテンツについて、使用、ホスト、保存、複製、変更、派生物の作成(たとえば、Google が行う翻訳、変換、または、ユーザーのコンテンツが本サービスにおいてよりよく機能するような変更により生じる派生物などの作成)、(公衆)送信、出版、公演、上映、(公開)表示、および配布を行うための全世界的なライセンスを付与することになります。このライセンスでユーザーが付与する権利は、本サービスの運営、プロモーション、改善、および、新しいサービスの開発に目的が限定されます。このライセンスは、ユーザーが本サービス(たとえば、ユーザーが Google マップに追加したビジネス リスティング)の利用を停止した場合でも、有効に存続するものとします。本サービスの一部では、ユーザーがそのサービスに提供したコンテンツにアクセスし、それを削除する方法が提供されることがあります。さらに本サービスの一部には、そのサービスに提供されたコンテンツの Google による利用範囲を狭める規定または設定があります。本サービスに提供するコンテンツについて、このライセンスを Google に付与するのに必要な権利を保有していることを必ずご確認ください。

Googleの戦略の一環としての利用規約

Googleは今後、Google+を始めとしたGoogleの全サービスを横断的に使用してもらえるようにサービスの開発を進めていくでしょう。
その戦略を進めていく上でこの利用規約が必要であると思われます。

ユーザーが提供したコンテンツの知的財産権をGoogleが有することはない

この引用文の最初に

本サービスの一部では、ユーザーがコンテンツを提供することができます。ユーザーは、そのコンテンツに対して保有する知的財産権を引き続き保持します。つまり、ユーザーのものは、そのままユーザーが所有します。

と書いてある通り、Googleが知的財産権を有する事はありません。

ユーザーがGoogleに提供する権利については明文化されている

また、利用者(規約上は”ユーザー”と表現)がGoogleに提供する権利としては下記のように記載されています。

このライセンスでユーザーが付与する権利は、本サービスの運営、プロモーション、改善、および、新しいサービスの開発に目的が限定されます。

あくまでGoogleが提供するサービス、しかも運営・プロモーション・改善・新しいサービスの開発にのみ限定される、とあります。
Googleが提供するサービスは全世界で同じように使えることが最も大きなメリットです。Google Driveについても日本ではアクセスできるが、海外ではアクセスできない、では充分なサービスの提供は出来ません。また、今回、Google DriveとGoogle Documentとの連携も出来ますので、そういうサービスを提供するとなると、このような規約が必要となります。
なので、Googleがサービスを提供する上で必要な規約ということになりますね。

解釈の仕方によっては少々危険な可能性もなきにしもあらず

しかし、規約の解釈の仕方次第で、こちらがアップしたファイルをGoogleが「規約の範囲内で」使用できる、ということは変わりません。
もしも使用するのであれば、「Google及びGoogleと恊働している第三者が一定の範囲で利用できる」という危険性を考慮した上で使用すべきでしょう。
いろいろなサービスが出てきて、気軽にサービスに登録する人が増えています。
が、その前に、ちょっとだけ利用規約に目を通して、自分自身にどういう権利が与えられるのか、逆に自分自身はそのサービスを運営している会社にどういう権利を与えるのか、というのは最低限知っておきましょう。

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