2013年4月1日、NHKで「ガバメント2.0」に関する番組が放送されたようですね。という文面で分かるように私は見ていません・・・
実はこの「ガバメント2.0」について、2010年頃にいろいろと調べたことがあります。いちばん盛り上がっていた時期ですね。
今回の放送を受け、改めていろいろなサイトを見返したのですが、その中で感じたことを少しまとめてみたいと思います。
「行政はプラットフォーム」
「ガバメント2.0 (Government 2.0)」という考え方は「Web2.0」を提唱したティム・オライリーが提唱したものです。
その考え方の根本は「行政はプラットフォームであるべき」ということです。
つまり、行政というプラットフォームにどういうサービスを乗せていくのか、そのサービスをWebなどのインターネット技術を使って実現していこう、というのがこの考え方の基本です。
市民と行政の関わりを変えていく
「ガバメント2.0」で提唱している「行政はプラットフォームであるべき」という考え方は市民と行政の関わりの形態を変えていくために大切であるとも言えます。
今まで電話で受けていた様々な問い合わせをインターネットや専用アプリで受け付けるようにすることで対応に掛かるコストを削り、迅速に対応出来るようにすることも可能です(「クローズアップ現代」では主にこの側面が取り上げられていたようです)。
既存資産をうまく活用することも「ガバメント2.0」の流れ
アメリカが実践している「ガバメント2.0」は既に稼働しているシステムを政府がうまく活用していくことでコストダウンを図っているといえます。
特にクラウドコンピューティングをうまく活用していくことでインフラにかかるコストなども削ることが可能になります。
行政だけではまかなえない部分を市民にお願いするためのツール
番組でも紹介されていたらしい「道路の補修箇所を市民に教えてもらう」サービス。このシステムは無償提供されています。
千葉市はこのシステムを2013年6月から実運用に使っていくとのこと。
つまり、行政だけではいろいろと大変なことを市民も一緒に解決していくためにこういうサービスを構築し、活用していく、という動きも「ガバメント2.0」と言えるでしょう。
行政が市民との協業のためにプラットフォーム化を進める
「ガバメント2.0」を実現するためには市民だけが走っても行政だけが走ってもプロジェクトが頓挫する可能性が非常に高いと思われます。
市民は行政にサービスだけを求めるのではなく、自分たちが出来る事は自分たちでやり、出来ないことを行政に依頼する。
行政は市民の意見を取捨選択し、行政に取り入れていき、最終的に自治体がよい方向へ進むような施策を進めていく。
その繋ぎ込みにインターネットなどのIT技術を使っていく。
と考えると、いろいろなサービスが考えられるかと思います。
ただ、市民がそれらを活用できなければ意味がありません。行政は市民が使いやすいサービスを提供出来なければ意味がありません。
市民主導でも行政主導でもなかなかうまくいかないでしょう。
今までの一方的な「行政サービス」から、より民間の考えに近い「行政サービス」の提供が求められてくる、それが「ガバメント2.0」の本質と言えるかも知れません。
「統治」を創造する 新しい公共/オープンガバメント/リーク社会