発売前ですが、なぜか手元にあります「作りながら学ぶjQueryデザインの教科書」。
なぜか、jQueryは挫折組です。いや、コードは読めます、修正も出来ます、ただ・・・ゼロから書けません。
書く必要がない、といえばそうなんですが、何度か挑戦してもなかなか・・・というわけでこの本です。
表紙がキレイでステキです
まず、このシリーズは表紙がとても上品ですね。
シンプルで飽きないデザイン、とはこの事でしょうか。
技術書もこんなデザインの本が少しずつ増えてきました。
jQueryを学ぶ上で必要な大まかな基礎と開発ツールについて記載
まずはjQueryを学ぶ前に、基礎的なことが書かれています。
知ってる人にとっては当たり前でしょうけど、そうでない人には基礎の基礎的内容になりますので、一通り目を通しておくといいでしょう。
ブラウザ毎の「開発ツール」について書かれています。
本書には「開発ツール」と書かれていますが、実際は「開発支援ツール」という位置付けになるかと思います。
Chromeを始め、Safari/Firefox/IEそれぞれの支援ツールについて書かれているので、どのブラウザを使っていても大丈夫です。
ここで紹介されているのは、HTMLやCSSのプロパティを参照したりするためのツールです。
「なぜ、こういうものが必要なのか?」「一般的な”ソースを表示”とはどう違うのか?」についても踏み込んで解説してあるとよかったのですが・・・
なぜ、Webインスペクタなどの開発支援ツールが必要なのか?
jQueryを使う場合、動作の確認にはブラウザの「ソースを表示」機能だけでは対応しきれないことが多々あります。
jQueryで何らかの機能を提供すると、動作中にCSSのID/クラスを書き換えたり、HTMLコードを書き換えたり、と動的なコード書き換えが行われます。
その動的な変化は「ソースを表示」機能では掴むことが出来ません。
ですので、開発支援ツールが必要になります。
jQueryを理解するためのトレーニングが充実
そして、jQueryというシステムを理解するための「トレーニング」が掲載されています。
このトレーニングが非常に分かりやすいです。
「jQueryを読み込む」ところから始まって、「スクリプトを試しに書いてみる」「要素を取得する」「イベントハンドラを設定する」・・・と徐々に?レベルが上がっていきます。
この第1章を一通り終えるとjQueryの基礎がおおよそ身についている、ということになるでしょう。
非常に実用的なサンプルコード類が充実
第2章は更に1歩進めて、実用的な「UI表現」をjQueryで記述する方法が掲載されています。
「開閉ボックス」「レスポンシブメニュー」「タブ」など、実用的かつよく使うであろうUI表現がどのようにして実現されているのかを解説しています。
第3章はもう少し難しくなって、「動きのあるUI表現」となります。
アコーディオンメニューやCSSを書き換える形でのアニメーションなど、よりjQueryらしい表現の方法を教えてくれます。
第4章は更に、ページ全体をjQueryで表現する方法が書かれています。
例えば固定型ナビゲーションやページ内スクロールなど、ちょっとしたことでUIの向上に繋がるようなテクニックを紹介してくれます。
第5章はデータを読み込んで、そのデータを加工・応用して表示する方法を解説しています。
例えば「データを読み込んでテーブル化して表示」などということをするとなるとPHPなどを使うことになる、というのが一般的と思いがちですが、jQueryでそういうことをする方法が書かれています。
ちょっとした表程度であれば簡単に作ることができますので、いろいろと考え方を変えるきっかけになるかも知れません。
jQueryプラグイン化までをサポート
最終章である第6章はレスポンシブ対応したカルーセル型のイメージギャラリーを作成する方法です。
「カルーセル」というと僕ら世代はどうしても「麻紀」さんが思い浮かぶのですが・・・
いわゆるスクロール形式のイメージギャラリーといえばいいでしょうか。
この手のイメージギャラリーはjQueryプラグインという形でたくさん提供されているのですが、自分で作ってみることでデザインの自由度が上がります。
また、制作したカルーセルイメージギャラリーをプラグイン化するところまで解説してくれています。
もう少し用語解説が欲しいところ
ターゲット層として想定される人たちを考えると、もう少し用語解説があってもいいような気がします。
例えば、さりげなくイベントハンドラという言葉が使われていますが、この本を読む層の人たちは意味を理解していると想定しているのでしょうか?
CDNについても簡単な説明はありますが、最終章辺りでもう少し具体的に説明してもいいかもしれません。
jQuery入門書としては最適、これからのスタンダードになり得る1冊
個人的にはjQuery入門書として非常に良書だと思っています。
今まで何冊もjQueryの入門書を買ってきましたが、この本を一通り読むことでより理解が深まり、いろいろと作れそうな頭になってきました。
全体的に分かりやすい記述ですので、読みやすくもあります。
お勧めです。
※本書はソフトバンククリエイティブ様に献本頂きました。ありがとうございます。
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